人生をより豊かに、21世紀の生涯学習を考える

講師:桜美林大学 教授  瀬沼 克彰 氏
日時:2001年7月31日(火)19:00~21:00

いま、何故生涯学習か
6っの要因、
  ①科学技術の商度化
  ②国際化
  ③高齢化
  ④価値観の多様化
  ⑤男女共同参加型社会の形成
  ⑥家族・地域の変化

生涯学習社会の到来
 昭和40年 (1965)
  ユネスコ成人教育国際会議
  ポール・ラングランの提唱
  教育の垂直的統合(年齢・ライフステージ)
  教育の水平的統合(教育内容・職業と教養と余暇
 昭和48年 (1973)
  OECDのリカント教育の提唱
 昭和51年 (1976)
  米国生涯学習法の制定
 昭和56年 (1981)
  文部省中央教育審議会「生涯学習答申」
 昭和63年 (1988)
  文部省生涯学習局の設置
 平成2年 (1990)
  生涯学習振興法
 平成4年 (1992)
  生涯学習審議会の答申
  「今後の社会の動向に対応した生涯学習の
   振興方策について」
     ①リカレント敦育
     ②ポランティア活動
     ③青少年の学校外活動.
     ④現代的課題に挑戦
 平成8年 (1996)
  「地域における生涯学習機会の充実方策について」
     ①高等教育
     ②小中高校
     ③社会教育・文化・スポーツ旛設
     ④研究・研修旛設
 平成9年 (1997)
  生涯学習審議会概要
    「生涯学習の成果を生かすための方策について」

生涯学習の意味
従来の教育制度は6歳~く18~22歳〉が教育機関で、
18歳~22歳以上60歳までを労働、60歳以上を余暇の
3段階。新しい教育制度では、18歳~22歳以上までを
労働、余暇をべ一スに教育を分散する。

学習ニューズの活性化を図る
(1)潜在需要を顕在化させるための意識啓発
  年功序列賃金・終身雇用制度の崩壌
(2)年功序列の学習行動へ促す支援
  学習カルテ・単位の累積加算・修了証 表彰制度
(3)学習行動の高度化
生涯学習の推進
(1)個人的条件
  余暇時間、少しの金、やる気、能力(知識と技術)など
(2)社会条件
  施設、情報、仲間、指導者、学習機会など
生涯学習をどう実践するか
 (I)動機づけ(何が好きか、何にこだわるか)
 (2)仲間づくり、先生の指導をうける
 (3)継続(時間をかける)
 (4)成果の発表、創造、貢献、指導

団体活動を高めるための方法
 ①同好の士、趣味を同じくする人がグループ、サークルをつくる
 ②定期的な会合を持つ
 ③発表、展示の機会をつくる
 ④自己満足に終らせない
 ⑤機関誌をつくる
 ⑥継続させる(5年、10年、20年)
 ⑦実現目標、ゴールの設定

活動を通して得られるもの
 ①個人:友人、社会的体験、新しい仕事
       (経済的活動、非経済的活動)
 ②地域:自慢できるふるさと。誇りに思う町。本当に住んで
       良かったと思う町。行動する市民の増加。

石の上にも3年を経て夢は現実になる
日本人の9割は他人任せに無為に余暇を過ごしている。
・他律的な「休息型」「気晴らし型」の余暇:
  相手方が遊び方をセットしてくれるタイプ。パチンコ・競輪・
  競馬などのギャンブル、遊園地、レジャーランド、スナック、
  バーなど関連ビジネスの年間売上高約70兆円。
・自立的な自己開発型」の余暇:
  当人の主体的な働きがけが必要。:絵画、音楽、陶芸、
  書道などクリエイティブな要素。

自己開発型余暇を収入につなげるための3つのノウハウ
教える:自分が身につけた知識や技量を他の人に教える。
  受講料や教材費という形で収入が得られる。
  お花、囲碁、将棋、お茶、ワープロ、パソコン、英会話等。
作品を販売する:自分の制作した作品やコレクションを販売。
  絵画、彫刻、書、焼き物、盆栽、園芸。コイン。
  アンティーク家具等。
特技を活用する:ビデオ撮影。パーティの司会。翻訳、通訳。
  自動車の運転。看板書き。代筆。料理、ガイド等。

収入につなげるには、
  初めは皆素人、『石の上にも3年』初級、3年、5年で中級。
  10年を目処に上級。

効率良く学ぷためのヒント
よい先生をみつける:教え方が上手、うまが合う先生につけば
  初級につきものの苦痛は和らぎ、上達も早くなる。
いい仲間を求める::一人でやるより、誰かと一緒に学んだ方が
  お互い刺激になってより向上。
自分の作品を外部に発表する:恥をかくのを承知でいろんな
  人にみてもらえば、好評不評が次の進歩に繋がる。
社会貢献を目指せ::最終的には、自分の趣味で人の役に
  立ってもらいたい。趣味の究極の姿。



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